地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第52回

「わが子に合った通信制高校を選ぶには?①」

 4月からの相談では、不登校による留年で転校を考えなければならないところに追い込まれた高校生徒の親御さんから、転校先としての通信制高校の選び方についてずいぶん相談が寄せられています。そこで、通信制高校についてはこの連載でも何度か取り上げてはきましたが、その選択の方法についてもう少し具体的に触れていきたいと思います。

 大切なことは「どの通信制高校が評判が良いのか?」と言うようなことではなく、わが子のこれからの新たな高校生活を考えるとき、「どの通信制高校がわが子に合っているのか?」と言うことです。つまり、選択するとき、まず何よりも通信制高校のシステムを十分理解することはもちろんですが、学校のパンフやHPを見ながらの個々の学校ごとへの評価をするのではなく、わが子の状況と学校のシステムや指導方法とを照らし合わせながら、わが子に合った通信制高校を絞り込んでいく作業が必要です。

 まず、通信制高校にはスクーリングと言う授業があります。単位取得するには必ず受講しなければならない授業で、少なくとも年間20時間以上の受講義務が生じます。転校先がサポート校(通信制高校と提携している支援校)の場合は、普段はサポート校にて指導を受けますが、単位取得には卒業する高校へ授業を受けに行かなくてはなりません。サポート校が大阪であっても、本校が遠方であれば、例えば屋久島や鹿児島、あるいは賢島などへ4泊5日の集中スクーリング参加が必要になりますが、長い不登校経験などから今の状況では宿泊行事参加へのハードルが高いとしたら、その通信制高校は候補から除外しなければなりません。各校は期間短縮で実施したり、宿泊先を保護者同伴で可能な場所を提供するなど様々な対策をたてて参加しやすい方法を模索していますが、この集中スクーリングに参加できるかどうかは、選択の重要な視点になります。宿泊参加が厳しいなら、必然的に近隣での日帰りスクーリングを採用しているところが選択候補となるはずです。

 次に、授業時間が全日制と比較して圧倒的に少ないわけですから、通信制高校では各教科レポートの作成提出が義務付けられています。次回連載では各校の指導体制の特色を報告します。  

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