地元広報誌「うえまち」コラム連載中!もし、我が子が不登校になったら?

第74回

相談事例(44) 「いじめに負けないわが子になって欲しい!①」

 私は以前にこの連載で、いじめ問題の解決は何よりも早期発見と言ってきましたが、早期発見できたとしてもその後の対応によっては、そのいじめがきかっけで残念ながら不登校になってしまったケースも多く存在しています。そもそも、子どもは親に心配をかけたくないので、いじめを受けていることについては何も言いませんし、先生に訴えても問題がこじれることもあり、早期発見すらできない厳しい状況もあるのです。
 私の相談室の事例で言えば、仲間外れにされたとか嫌なことをはっきり言われ続けたなどのいじめより、「いじられる」いじめが多くなってきた気がします。いじる側の子どもは集団で、いじられる側の一人を、あるときはメールやラインでの言葉で、あるときは冷笑を向けたりしながら傷つけ続けます。いじられ続けた子どもは、そこから逃れるにはもはや学校を欠席するしかなく、やがて不登校へと繋がっていくのです。
 いじる側は、いじられる側の反応を楽しんでいます。さらにいじる側は、その反応をいじる仲間とラインなどで共有し、自らがいじられる側になる危険性を回避し、安堵を覚えているのでしょう。
 何らかのきっかけでいじめが早期発見され、保護者と学校の対応によりひとまず解決したとしても、いじめられた子は復学しても、またいじめられる可能性は残っていますし、今回の相談事例は、「復学はしたのですが、ふたたびいじめられているわが子になんとかいじめに負けない強い気持ちを持って欲しいのですが」と言うものです。いじめに子ども自らが立ち向かうなんてそう容易いことではありません。強いて言うなら、いじめている側が期待しているような反応をしないこと、つまり、いつもと違う反応を返せるようになれるかがポイントとなるでしょう。しかし、それはいじめにどう対応するのか、どんな気持ちでのぞめばいいのかを親御さんが諭したとしても効果は期待できません。なぜなら、不登校にまで至ってしまった経験があるのですから、心の中に自信をなくしてしまっている状況が続いているからです。
 いじる側がもういじっても面白くない、そういう状況をつくればいじめは解消していきます。そのためのわが子への手立ては、次回に詳しく報告します。

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